執筆者
やまだ脳神経外科クリニック
院長山田 恭史Yasushi Yamada
所属学会・資格
- 一般社団法人日本脳神経外科学会専門医
その多くは心配のいらないものですが、なかには認知症や、思わぬ脳の病気が隠れていることもあります。
「最近、物忘れが増えたな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
物忘れには、加齢にともなう自然なものと、認知症によるものがあります。両者は、忘れ方に違いがあります。
誰にでも起こる、自然な記憶力の低下です。
人の名前が思い出せない
暗証番号を忘れる
昔の記憶の細かい部分があいまいになる
これらのことは、通常の範囲であれば心配いりません。指摘されれば「ああ、そうだった」と思い出せるのが特徴です。訓練などによって、低下を遅らせることもできます。
認知症は、記憶力に加えて、思考や理解、判断などの力が低下していく状態です。
加齢による物忘れとの違いは、健康な方には起こらないような忘れ方をする点にあります。
こうした変化は、ご本人が気づきにくいものです。身近なご家族が「以前と様子が違う」と感じることが、早めの受診につながる大切なきっかけになります。
物忘れが増えたと感じたら、それが加齢によるものか、治療の必要な変化なのかを調べます。ご本人だけでなく、ご家族が「以前と様子が違う」と気づいたときは、どうぞお気軽にご相談ください。
「認知症だろう」と思っていた物忘れの原因が、実は別の脳の病気だったというケースがあります。こうした病気のなかには、適切な治療によって回復が見込めるものもあります。「歳のせい」とあきらめてしまう前に、画像検査で原因を確かめることが大切です。物忘れを起こす、代表的な脳の病気をご紹介します。
頭を打ってしばらく経ってから、頭蓋骨の内側に血が少しずつ溜まっていく病気です。ご高齢の方に多く見られます。
頭に溜まった血を取り除く治療により、回復が見込めます。
脳を満たし、守っている髄液の流れが滞り、脳を圧迫することで起こる病気です。
髄液の流れを整える治療によって、症状の改善が期待できます。
脳にできた腫瘍が、物忘れの原因となることがあります。
腫瘍の種類や状態に応じた治療をおこないます。当院で手術などの専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する医療機関へご紹介いたします。
これらの病気は、認知症とよく似た症状を示すため、見分けるにはMRIなどの画像検査が欠かせません。
ひと口に認知症といっても、いくつかの種類があります。代表的なものに、脳の神経細胞が少しずつ変化していくアルツハイマー型認知症や、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害が原因で起こる脳血管性認知症があります。
どのタイプの認知症なのかによって、治療の方針は変わってきます。
だからこそ、画像診断が重要です。
当院では、認知症の種類や、背景にある脳の状態を確認します。
当院では、タブレットを使った認知機能検査「ミレボ」を導入しています。画面に表示される質問に沿って、正解と思う箇所を見つめるだけの検査で、所要時間は約3分です。視線の動きがスコア化されるため、検査をする側の経験に左右されにくく、客観的に認知機能の状態を確認できます。
ミレボは、認知機能の状態を知るための検査のひとつです。これだけで認知症の診断が決まるわけではなく、問診やMRIなどの画像検査とあわせて、総合的に判断します。
| 検査名 | 費用(税込) |
|---|---|
| ミレボ認知機能検査 | 3,300円 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
ご家族の気づきは、とても大切です。ご本人が受診をためらう場合も少なくありませんので、まずはご家族だけでご相談いただくこともできます。受診につながりやすい方法を、一緒に考えます。気になることがあれば、遠慮なくお問い合わせください。
まず問診で、物忘れの様子やこれまでの経過をうかがいます。そのうえで、MRIなどの画像検査をおこない、認知症の種類や、脳の病気が隠れていないかを確かめます。慢性硬膜下血腫や水頭症など、治療で改善が見込める病気が見つかることもあります。原因をはっきりさせることが、適切な治療への第一歩になります。
タブレットの画面を見つめるだけで、約3分で認知機能の状態を確認できる検査です。鉛筆や言葉での回答が必要ないため、ご本人の負担が少ないのが特徴です。結果は、問診や画像検査とあわせて診断の参考にします。保険診療で受けられます。