執筆者
やまだ脳神経外科クリニック
院長山田 恭史Yasushi Yamada
所属学会・資格
- 一般社団法人日本脳神経外科学会専門医
こうした歩行の変化は、加齢によるものと思われがちですが、その裏に脳や脊椎、神経の病気が隠れていることがあります。
歩行障害とは、歩くために必要な体の働きに何らかの障害が起こり、日常的に歩きにくくなる状態のことです。
歩くという動作には、筋肉と、それを動かす神経の働きが欠かせません。この経路のどこかに問題が生じると、歩行に支障が現れます。加齢によって歩く速さがゆるやかに落ちていくのは自然な変化ですが、明らかに歩き方が変わったり、短期間で歩きにくくなったりした場合には、病気が隠れている可能性を考える必要があります。
次のような変化が見られたら、一度当院までご相談ください。
こうした変化は、ご本人が気づきにくいこともあります。ご家族が「歩き方が変わった」と感じたときも、受診のきっかけになります。
歩行障害の原因は、脳や神経の病気によるものと、骨や関節の病気によるものに分けられます。当院では、脳や脊椎に関わる原因を中心に診療します。
脳の血管が詰まる、あるいは破れることで、体の片側の麻痺が起こり、歩きにくくなります。急に片側の手足が動かしにくくなった場合は、ご相談ください。
小またでちょこちょこ歩く、最初の一歩が出にくい、前かがみで早足になり止まりにくい、といった特徴的な歩き方が見られます。
脳を満たす髄液の流れが滞り、脳を圧迫することで起こる病気です。歩きにくさに加え、物忘れ、尿失禁が現れるのが特徴です。認知症と間違われることもありますが、適切な治療によって症状の改善が期待できる病気です。見逃さないことが大切です。
しばらく歩くと足に痛みやしびれが出て歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる、という症状(間欠性跛行)が特徴です。首や腰の神経が圧迫されて起こります。
歩行障害は、原因に合わせて適切に対応することで、改善が見込めることがあります。
問診と診察、MRIなどの画像検査で原因を調べます。原因となる病気の治療をおこなうとともに、症状に応じて、筋力やバランスを整えるリハビリテーションにつなげます。手術など専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する医療機関へご紹介します。
加齢によって歩く速さがゆるやかに落ちるのは自然な変化ですが、歩き方そのものが明らかに変わった場合は、脳や脊椎の病気が隠れていることがあります。とくに、物忘れや尿失禁をともなう歩きにくさは、治療で改善が見込める病気のこともあります。気になるときは、一度検査を受けておくと安心です。
ご家族の気づきは、早期発見の大切な手がかりです。歩行の変化は、ご本人が気づきにくいことも少なくありません。歩幅が狭くなったり、つまずきやふらつきが増えてきたりしたときは、一度当院までご相談ください。